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年度 | 2025 |
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科目名 | 有機化学特論 |
担当者名 | 稲本 浄文・阿部 将大 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
有機化学は、自然界において多くの天然物質、人の手による化学合成物質のうち主に炭素原子からなる物質についての化学的生物学的性質、反応性などを学ぶ基盤的学問領域である。本特論では、様々な有機化学的基礎知識を深めるとともに統合をはかり、その発展領域である有機合成化学を学ぶための知識と技能を修得することを目標とする。 |
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到達目標 Class Goal |
1)様々な有機反応を結合論、電子論から理解し、生成物の構造的特徴を説明できる。 2)生物活性天然化合物や医薬品の構造的特徴、特に立体構造や官能基などを、統合した有機化学的知識をもとに予測することができる。 3)有機反応の基質間の構造化学的、理論化学的考察を行い、目的化合物生成を反応論的妥当性から説明できる。 |
授業内容 The Content of the Course |
発見者の名前がついた有機反応である「人名反応」を例に、それらの反応機構、選択性、利点などを概説する。また、医薬品合成等で重要となるいくつかの不斉反応についても解説する。 |
授業計画 Class Plan |
第1回 Darzenz 反応の概要と反応機構および有機合成への応用 第2回 Diels-Alder 反応の概要と反応機構および有機合成への応用 第3回 Wittig 反応の概要と反応機構および有機合成への応用 第4回 Snieckus-Directed ortho-metalation 反応の概要 第5回 Snieckus-Directed ortho-metalation 反応の反応機構 第6回 Suzuki-Miyaura coupling の概要と反応機構 第7回 Negishi coupling, Stille coupling 第8回 Kumada coupling, Sonogashira coupling 第9回 炭素骨格転位反応の概要: ベンジル酸転位反応,ブルック転位反応,ホフマン転位反応,クライゼン転位反応 第10回 炭素骨格転位反応の概要: クルチウス転位反応,フリース転位反応,オキシコープ転位反応 第11回 エナンチオ選択的反応・化学量論的不斉反応・触媒的不斉反応の概要: 不斉アルドール反応,不斉脱プロトン化反応 第12回 触媒的不斉反応について: 不斉水素化反応・不斉エポキシ化反応・不斉クロスカップリング反応・ 生体触媒を用いる不斉反応の開発 第13回 対称化合物の非対称化反応の開発 第14回 1,3-ジケトンの不斉還元反応・β-ケトジエステルの脱エステル化反応 第15回 複雑な構造をもつ生物活性天然化合物の全合成例の紹介 (例:タキソール・タミフルなど) |
授業方法 Class Method |
「対面授業」を基本とするが、演習問題の解説等において、繰り返し視聴することで複雑な反応機構や立体化学などについて十分な理解が効果的に得られるよう、「オンデマンド型遠隔授業」を適宜取り入れることがある。毎回小テストを行うとともに、これに関する質疑応答等による双方向授業を取り入れる。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
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アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
質疑応答等による双方向授業を適宜取り入れることで、授業内容の理解向上につなげる。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
学部で履修した有機化学関連の内容を統合した科目であり、より実践的かつ先端の精密有機合成を学習する。学部で学んだ有機化学関連科目を復習しておくこと。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:小テストやレポート等の課題提出状況および提出された課題の内容・授業への積極的参加度による評価(100点) |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
小テスト等の課題の解答開示・解説については、講義中あるいは講義後の info@MUSES 配信等によって行う。 |
教科書 Textbook |
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参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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受講上の注意 Notices |
有機化学反応を修得するには、反応機構を理解することが一番の近道である。そのためには、見て覚えようとするよりも、繰り返し紙に書くことが重要である。分からないことは積極的に質問するなど、早めに理解することを心がけること。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
2.医薬品・化粧品・健康食品等の創製のための有機化学、物理化学、分析化学、生命科学、薬理学、薬剤学、衛生・環境化学などの「基礎薬科学」に関する専門的な知識を有し、あるいは医薬品の有効性・安全性評価、有用性評価、製剤化、治験、化粧品、健康食品などの「応用薬科学」に関する専門的な知識を有し、それらを体系的に理解している。 7.「基礎薬科学」あるいは「応用薬科学」に関する研究を行うための技能を有し、新たな展開を図ることができる。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
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教科書コメント |
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