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年度 2026
科目名 建築設計総合演習A
担当者名 中江 哲・宇野 朋子・大井 史江・川島 克也・酒井 利行・田川 浩之・天畠 秀秋・山田 雅明・山本 親・渡邉 豪秀
単位 6
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科目目的
Course Objectives
原寸大の空間を共同で制作し、その原初的・直接的・身体的な体験により、図面や模型のみによる図式的、操作的な設計方法の矛盾を理解する。その理解に基づき、より高度で実践的な設計課題に取り組むことを目的とする。これにより、今後の実務実習において最低限必要となる実践的な設計能力を伸ばす。
到達目標
Class Goal
住環境を、実在するモノと空間からなる存在として具体的に設計する能力の養成を通して、「真」「善」「美」を互いに総合する能力を修得し、安全で、使いやすく、美しい、真に人間的な住環境を創生する実践的能力を培う。
授業内容
The Content of the Course
自然の影と光による空間構成、膜構造による空間構成、スペースフレームによる空間構成という3テーマを取り上げ、それぞれ実験モデルや原寸大のモデルを構築し、その構築体験をもとに建築空間を設計する。また設計提案の意義を小論文にまとめる。建築設計技術演習Aとの連携により、各自の案に適した建築空間の構造や環境設備や施工方法を理解する。授業は学外で実施することもある。

課題1:自然の影と光による空間構成
絵画が平面の芸術、彫刻が立体の芸術であるとすれば、建築は空間の芸術である。空間は影と光によって与えられ、それ故、それらは建築にとって本質的なものである。ここではまず影と光が持つ、人間の心に働きかける大きな力を実験的に検討する。その体験を踏まえた上で、敷地とその周辺の自然を生かすことに配慮しながら、影と光によって様々なモノの特徴が立ち現れる空間構成の可能性を探究する。

課題2:膜構造による空間構成
ガラス繊維により恒久性と安全性が付与された現代の膜構造は、軽量で透光性があり、伝統的な構造形式や材料では実現し得なかった空間をつくることができる。本課題では、まず膜による大型のモデルを共同制作し、空間構成の可能性を探究するとともに膜構造のディテールを学ぶ。この体験をもとに、膜の形態と構造により、美しく、機能的要求を満足した建築の設計を行う。材料とエネルギーの節約を考慮し、持続性と再利用が可能な建築の提案を試みる。

課題3:スペースフレームによる空間構成
スペースフレームは立体トラスとも呼ばれ、三角錐体、四角錐体を1ユニットとする骨組を組み合わせる構造形式である。ユニットを構成する部材は比較的小さく単純で、平面にも曲面にもなる。本課題では、まずスペースフレームの原寸モデルを構築し、その空間構成の可能性を探究する。この構築体験を基礎として、さらには我が国伝統の空間構成の知恵に学び、そして環境にも配慮しながら、スペースフレームによる建築空間を提案する。

演習時には建築設計に関して豊富な経験を有する専任教員と学外の建築家が参画し、全プロセスを通じて幅広い視点からのチェックを行う。
設計能力の育成は、一つ一つ階段を登るようなものである。階段は一気には登れない。総合演習Aで修得した内容は、今後の演習やインターンシップ、建築設計実務、そして修士設計など、大学院における設計教育の基盤となるものである。
授業計画
Class Plan
各課題の授業の進め方は以下の通りである。
1日目 課題説明
課題の担当教員が課題の趣旨、設計条件、提出物、スケジュール等についてガイダンスを行う。課題の敷地や参考事例の見学は、授業時間中、もしくは並行して開講する「建築フィールドワークⅤA」において行う。
2〜7日目 対話型演習
各課題のテーマに基づき原寸大の共同制作に取り組むとともに、各自が案を検討する。状況に応じて随時、教員が補足で説明を行う。出される宿題や、対話によって受けた指導に対応することにより、案の検討を進める。
8日目 中間講評
中間段階でのエスキス、スケッチ、スタディ模型などを提示、発表し、教員の指導を受ける。また学生、教員全員が今後の課題を共有する。
9〜14日目 対話型演習
中間講評で受けた指摘に基づき案を修正し、図面や模型のプレゼンテーションを行う。手描き透視図のスケッチの指導も受ける。所定の提出期限までに図面、模型を完成させ、提出する。
15日目 講評会
提出した図面、模型を用いて、建築設計技術演習Aと合同で講評会を行う。講評会は全員が発表し、他の学生や、2名以上の教員や専門家の講評を受ける。講評会では、他の学生の作品や発表、教員の講評等に関するコメントを書いて提出する。全講評会を父母等や学内の関係教職員に連絡、公開する。発表後の作品は、学生全員が所定の場所に展示する。
講評会や作品の展示を通して、学生のみならず担当教員も評価を受ける。必要に応じて授業内容や授業計画、授業方法等の改善をはかることにより、専攻のFD活動の一環とする。

課題ごとの特性や授業の状況等に応じ、上記の授業計画を調整することがある。
授業方法
Class Method
教員の説明、スタジオでの一体一の対話型演習、中間講評や講評会における発表や教員の講評を組み合わせ、学生各自でそれらの意見・評価を解釈し選択して、具体的な作品へまとめあげる。教員による全体説明は原則日本語で行うが、提示する資料の主なキーワードに英語を併記する。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
PBL(Problem-based learning:問題解決型学習)
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
授業時間外も必ずスタジオで作業を行うこと。教員、助手、学生が、実際に設計したエスキスを各自の机に提示することにより、実践的設計行為を共有できるようにする。演習において教員から指示された宿題、および受けた指導内容は、必ず次回の演習までに自分自身の作品に反映させること。各課題とも、所定の提出期限までに必要な図面、模型等を作成すること。
評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:3課題の総合評価。各課題の評価は1)中間のスケッチ、模型、発表、授業態度等の評価 2)最終提出物の評価 3)講評会の評価を総合する。2)で未提出物がある場合は減点。1課題でも不合格の場合は、本科目を不合格とする。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
毎回の授業において、各学生が作成した設計案に対して教員が個別に対話型の指導を行う。
各課題の中間講評および最終の講評会で、各学生の発表に対し個別に講評を行う。
教科書
Textbook
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
授業時間中、または並行して開講する「建築フィールドワークⅤA」において、課題敷地および参考事例の見学を行う。
受講上の注意
Notices
課題敷地や参考となる建築物などの見学を、授業時間中に実施することがある。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
A.高い知性 ◎A-1(6年)語学や諸学の基礎学力の修得、及び自らの主張を社会に提案し、合意を形成できる実践的能力を修得する。○A-2,A-3,A-4
B.善美な情操 ○B-1,B-2
C.高雅な特性 ○C
D.高い知性、善美な情操、高雅な徳性の総合 ◎D-1(6年)「真」「善」「美」で極めた精神世界を統合し、住環境という実在するモノの世界に具体的、実践的に実現する能力を修得する。○D-2
※◎は特に対応する学習・教育到達目標、○は対応する学習・教育到達目標を示す。
実務経験の有無(本科目と関連のある実務)
Presence or Absence of Practical Experience related to the Course Contents
あり
実務経験と科目との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
本科目は一級建築士となるために必要な、実務経験2年の一部を構成するインターンシップ関連科目(演習・実験・実習)である。
中江 哲・宇野朋子・大井史江・田川浩之・天畠秀秋・山本 親 各専任教員がもつ建築設計、環境設計・環境調査、構造設計・構造実験等の実務経験を活かし、原寸大のモデルの構築体験等にもとづく高度で実践的な建築設計を指導する。
酒井利行 教会建築等の豊富な設計経験を活かし、私が担当した教会建築の見学を通して、どのようにコンセプトを立案し実現したかを知っていただいた上で、各自が設計したい空間を同様のプロセスにそって設計できるよう指導する。
渡邉豪秀 建築設計に長年従事した経験を基に、建築設計に取り組む姿勢から設計の基本知識、進め方及び表現手法の指導を行う。
川島克也 建築スタジオをはじめ、建築設計に長年従事した経験を基に、建築設計に取り組む姿勢から設計の基本知識、進め方及び表現手法の指導を行う。
山田雅明 建築設計事務所における長年にわたる手描きパース制作の実務経験を踏まえて、表現力豊かなパース制作の指導にあたる。
教科書コメント

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