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2013.3.26〜3.28 @武庫川女子大学建築学科 建築スタジオ 構造実験室 |
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■概要 |
幅500ピッチで設置されるプランクシート同士を繋ぐ接合部分には,通常,中ボルトを用いる接合詳細が用いられており,設計上,せん断力の伝達を考慮することは無い。本実験では,摩擦抵抗力に期待できる高力ボルトによる接合詳細を提案し,せん断性能を詳細に検証した。また比較のため中ボルトによる標準接合詳細による性能についても検証した。なお,正負交番繰り返し加力により,地震時等において応力が多数回繰り返される状況下における性能評価を意図している。プランクシート接合部せん断実験は,武庫川女子大学建築学科の構造実験室にて,写真1に示す実験装置を使用して実施した。
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写真1 武庫川女子大学構造実験室内の大型構造実験装置 |
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図1に加力装置の使用状況、図2に試験体付近の詳細状況を示す。接合詳細の異なるプランクシート試験体を複数用意しておき,これを組み替えて一連の実験を実施した。 |
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図1 加力装置 |
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図2 プランクシート試験体(図中プランクシート試験体AおよびB) |
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写真2 プランクシート試験体 |
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表1に示す3種類の接合詳細を示す。 |
表1 接合詳細一覧
試験体No. |
接合条件 |
防水加工 |
1 |
M16,高力ボルト(現設計) |
あり |
2 |
M16,高力ボルト(現設計) |
あり |
3 |
M20,中ボルト(標準) |
あり |
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○ 計測
・武庫川女子大学所有のデータロガーとパソコン(ソフトウェア)を用いた。
・水平せん断力:水平ジャッキ用のロードセルから荷重を記録した。
・武庫川女子大学所有の変位計を用いて接合部のせん断すべり等を記録した。
○ 加力
・構造実験装置に備え付けの加力用ポンプを操作し,水平ジャッキを操作し,正負交番繰り返し加力を実施した。
・加力は,すべり変位を参照して下記のスケジュールに基づき実施した。
サイクルNo.1 サイクルNo.2
(0mm)→(+5 mm)→(0 mm)→(−5 mm)→(0 mm)→(+10 mm)→(0 mm)→(−10 mm)→(0 mm)
サイクルNo.3 サイクルNo.4
(0mm)→(+20 mm)→(0 mm)→(−20 mm)→(0 mm)→(+30 mm)→(0 mm) |
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■まとめ |
プランクシート相互のせん断力伝達のため、止水材(ゴムパッキン)を挟んだ状態でも高力ボルトによる摩擦接合が成り立つ接合詳細を提案した。その他、比較対象として中ボルト接合による性能についても実験による検証を行
った結果、高力ボルト接合の優位性が確認された。
これらの実験および数値解析によって、プランクシートを面内せん断力を伝達する構造材として設計するための、十分な基礎的知見が得られた。 |
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写真3 構造実験の様子 |
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阪神電気鉄道株式会社
武庫川女子大学 建築・都市デザインスタジオ 一級建築士事務所
岡ア 甚幸: 武庫川女子大学建築学科長,教授,京都大学名誉教授
川口 衞: 法政大学名誉教授,(株)川口衞構造設計事務所 主宰
武庫川女子大学建築学科
杉浦 徳利
猪股 圭佑
森本 順子
山口 彩 |