萱村 俊哉

■研究室名

発達神経心理学研究室

■研究テーマ

子どもの知覚と運動発達の軽微な偏倚(ソフトサイン)の研究を30年間続けてきました。これまで取り組んできたテーマ、現在のテーマ、そして今後、取り組みたいテーマはそれぞれ以下の通りです。
「発達障害児/者の神経心理学的アセスメントに関する基礎的及び臨床的研究」
「発達障害児への学習指導に関する神経心理学的研究」
「学校と地域を結ぶ発達障害支援ネットワークの構築」

■略歴

1990年 大阪市立大学大学院生活科学研究科生活福祉学専攻(人間発達学分野)後期博士課程修了(学術博士),1991年 武庫川女子大学文学部専任講師,1995年 同助教授,2007年 同教授,現在に至る。2010 年~現在 和歌山県立医科大学衛生学教室博士研究員。

■著書

共著:構成行為の発達と臨床的意義 Rey-Osterrieth複雑図形による検討,創造出版,2014 年
共著:発達障害親子支援ハンドブック 保護者・先生・カウンセラーの連携,昭和堂,2013 年
単著:教室における「気になる子どもたち」の理解と支援のために 特別支援教育における発達神経心理学的アプローチ,ナカニシヤ出版,2012 年
共著:発達心理学,聖公会出版,2007年
編著:発達健康心理学,ナカニシヤ出版,2002年
単著:発達の神経心理学的評価-学習障害,MBDの診断のために-,多賀出版,1997年
共著:ライフサイクルからみた発達臨床心理学,ナカニシヤ出版,1995年
共著:現代健康教育学,朝倉書店,1992年

■受験生へのメッセージ

武庫川女子大学に奉職して、今年(2016年)で25年目になりました。その間,私自身,いろいろと心境の変化はありましたが,飽きもせず,一貫して学生たちに伝えていることがあります。それは,日々の生活を大切にしてほしいということです。私は,生活を大切にすることは自分と他者を大切にすることにつながると考えています。そもそも自分(自己)とは,ごはんを食べる,バイトをする,ボーとする,友だちとおしゃべりするなど,日常生活の色々な行為の主体として経験する現象の総体です。ですから,たとえばごはんを食べる時間も、「おいしいな」「楽しいな」などの感覚にどっぷりと浸ったり、「この野菜は誰が作ったのかな」などと他者への思いを巡らせたりして、丁寧に過ごしてほしい。先日,私のゼミの卒業生が社会人として勤めを果たしておられる場面に偶然出くわし,その方がお客さんと丁寧なやりとりをされている姿を拝見しました。その時,仕事を大切に,仕事という機会に出会う人々との関係を大切にされている姿に感銘を受けました。人生に無駄な時間はありません。一瞬一瞬に命が輝いているということを,卒業生の姿を通して改めて知らされました。