「Computational Thinking」
白井詩沙香
約10年ごとに改訂される学習指導要領ですが、まさに今、改訂の時期を迎えています。2020年度に全面実施される小学校の学習指導要領では、プログラミング教育の導入が注目を集めており、書店でも「小学校プログラミング教育」関連の書籍を目にする機会が増えました。小学校段階のプログラミング教育のねらいは、『子供たちが将来どのような職業に就くとしても時代を越えて普遍的に求められる「プログラミング的思考」を育む 』こと、とされています。この「プログラミング的思考」の参考とされたのが、タイトルにもあります「Computational Thinking」です。
Computational Thinkingは、コンピュータ科学者が問題に取り組む際に用いる思考を指しています。コンピュータ科学者は特定の問題を解くために、問題を分割したり、パターンを発見したり、抽象化するなどしますが、こうした問題を解決するための思考法は、コンピュータ科学だけでなく、他の研究領域、さらには日常生活の様々な場面で活用することができます。基礎的な技術を象徴する言葉として3R’s(read, write, arithmetic)がありますが、これに加えてComputational Thinkingもすべての子供たちが習得すべき能力と言われています。
プログラミングはこうした思考法に触れるよい機会でもあります。みなさまも一度、プログラミングを体験してみませんか?
(参考文献)
- 文部科学省: 小学校学習指導要領 総則(2017)
- Wing, J. M. : Computational Thinking, Communications of the ACM, Vol. 49, No.3, pp.33–35 (2006)