研究所所長ごあいさつ
武庫川女子大学 女性活躍総合研究所
令和6年4月、武庫川学院85周年を記念して武庫川女子大学附置研究所は、3つの総合研究所に整備されました。「3総研」の一つとなった女性活躍総合研究所は、令和2年4月開設時より、生涯にわたる女性のキャリア開発に資する事業を探求・開発することを基本理念とし、ジェンダーギャップを乗り越えて社会の広い分野で活躍できる女性の育成・支援を行うことを目標としています。また、令和5年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバシティー研究環境実現イニシアティブ(女性リーダー育成型)」に私立女子大学として本学が採択されました。
研究所の活動としては、「生涯活躍推進部門」、「グローバル化推進部門」、「ダイバーシティ化推進部門」、「次世代女性人材育成部門」、「ジェンダー平等推進部門」の5部門を設置し、女子総合大学の強みを活かし調査・研究を継続的に行っています。
さて、世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)は、「世界ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report)2023」の中で男女格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」を発表しました。GGIは、経済・政治・教育・保健の4分野について統計データーを元に算出されています。
・経済:労働参加率・同一労働における賃金・収入格差・管理職の男女比・専門技術の男女比
・政治:議会や閣僚など意思決定機関への参画・過去50年間の国家元首の在任年数における男女差
・教育:識字率・初等教育就学率・中等教育就学率・高等教育就学率の男女比
・保健:出生時性比・平均寿命の男女差
その結果、日本は146カ国中125位となり、前年度のランクよりさらに9位低下し、主要7カ国(G7)の中で最下位となっています。この原因は、国会議員、政治家、経営管理職、教授・専門職、高等教育(大学・大学院)等、社会のリーダーシップを発揮すべき分野でダイバーシティの評価が著しく低い状態であると考えられます。したがって、女性活躍総合研究所では、国内外機関との共同研究を図り、ジェンダーギャップ指数向上に向けた調査・研究並びに提言を推し進めて参りたいと考えています。
上記のような、女性活躍の支援活動、若手女性研究者の支援、女性リーダー育成などの活動に加えて、「国際女性デー(International Women’s Day)」に謳われている女性の地位向上の理念を学生・教職員及び学外の多くの方に推し進めるため毎年3月に「MUKOJOフォーラム」を開催しています。このような啓発・広報活動も研究所の重要な役割であります。
どうぞ、研究所の活動に、ご理解とご協力を賜りますようにお願い申し上げます。