甲子プロジェクト

甲子プロジェクト連続講演会『鳴尾の水資源と暮らし』②を開催いたしました

2023/10/28

『鳴尾の水資源と暮らし』*をテーマに連続講演会を開催いたしました。

私たちは、水道の栓を回せば飲料水が出てきて当たり前という生活をしています。大きな災害が起こって初めてそれが当たり前ではないことに気が付きます。

そんな今では想像もつかないことかもしれませんが、武庫川女子大学がある旧鳴尾村は、かつて毎年、水害と旱魃に悩まされ続けていました。当時の人たちはどのようにそれに対処して生活していたのでしょうか。そして、いつからこのような便利な暮らしになったのでしょうか。また、現在、どこから、どのように安全・安心な水を得ているのでしょうか。さらに、西宮の豊かな水資源をどうやって次世代に渡していけばよいのでしょうか。

今年度は、連続5回講演会を企画いたしました。学生の皆様をはじめ地域の方々とご一緒に、是非、身近な水資源について考えてみたいと思います。

*採択研究課題「聖地研究 甲子園―聖地の生成と象徴性再生産プロセスに対する住民評価の研究」(19K12597 基盤研究(C))の一環として甲子園筋の水路にまつわる郷土史の背景を、武庫川から大阪湾まで生活美学的視点から深めます。

 

第2回「枝川廃川の経緯と甲子園筋の誕生」

 

◇日時:2023年10月28日(土)14:00開始

◆会場:武庫川女子大学 中央キャンパス 南館S-45 (西宮市池開町6-46)

◇講師:西尾 嘉美(元西宮市立郷土資料館学芸員)

◆コーディネーター:黒田 智子(武庫川女子大学生活美学研究所研究員、同生活環境学部教授)

◇聴講無料・事前申込制

 

◆講演概要

武庫川はたびたび洪水を起こす暴れ川であったが、弘治3年(1557年)の大洪水の後の治水工事で、洪水により生まれた流路を川として整えたのが「枝川」である。時を経て、大正11年(1922年)に大がかりな治水が行われ、枝川は川としての役割を終え、廃川となった。そして、かつての枝川は住宅地等の「街」に姿を変え、「甲子園筋」が誕生する。本講演では、武庫川の洪水と治水の歴史的変遷をたどり、「川」が「街」に生まれ変わっていく経緯についてご紹介する。

 

◇講師略歴

神戸市出身 修士(文学)関西大学

西宮市立郷土資料館 民俗分野担当学芸員(23年3月退職)

所属学会 (一社)日本民俗建築学会(理事) 日本民俗学会他

専門分野 氏神祭祀・祭祀習俗 有形民俗

 

お問い合わせ先

武庫川女子大学生活美学研究所

TEL: 0798-67-1291(受付時間:祝日を除く月~金 10:00-16:00)

※研究会当日のお電話は、0798-45-9992におかけください。

   ただし、研究会運営のため不在になる時間帯もありますので、お問い合わせは余裕をもってお願いします。

E-Mail: seibiken@mukogawa-u.ac.jp

 

図1明治42年測量 陸軍仮製図 大阪北西部(部分)   図2甲子園住宅経営地案内 図2提供:阪神電気鉄道株式会社