
実際のフィールドにできる限り足を運ぶ。
水野 優子 みずの ゆうこ
武庫川女子大学大学院 生活環境学研究科 生活環境学専攻 博士課程 単位取得満期退学
武庫川女子大学 生活環境学部 生活環境学科 講師
経歴
神戸女学院大学 文学部総合文化学科 卒業、武庫川女子大学大学院 家政学研究科生活環境学専攻修士課程 修了、同大学大学院生活環境学研究科生活環境学専攻博士課程 単位取得満期退学。博士(生活環境学)。
武庫川女子大学生活環境学部生活環境学科助手、助教を経て、2013年度より現職。
専門は、住環境計画、都市計画、まちづくり、住宅政策。計画的住宅市街地や集合住宅等を対象とした持続可能な住宅地や地域コミュニティの形成・再生が主な研究テーマ。
Q&A
Q 進路のきっかけは何ですか
A 大学時代は文学部を専攻しており、今とは異なる分野に進んでいました。しかし、その就職先で都市計画やまちづくり関連の多くの研究者と出会う機会を得て、その調査や研究に携わっていく中で、普段、何気なく暮らしている都市やまちが古の時代から蓄積した知恵と工夫で創られていること、そして進歩した現代においてもなお多くの問題・課題を抱えていることを知らされ、強い関心を抱くようになりました。そのうち、自分のやりたいことはここにあると考えるようになり、あらためて専門的に学ぶため本学大学院に進学することを決めました。幸い希望通りに現職にも就くことができ、都市計画、まちづくり分野の研究を継続しています。
Q 夢の実現に向かって努力したことはどんなことですか
A 「夢の実現」というとなかなか答えづらいですが、「研究する上で心がけていること」は、実際のフィールドにできる限り足を運ぶということです。
日常の業務は研究だけではありません。研究に付帯する事務もあれば、教育職としての重要な役割もあります。働くということは多忙なもので、それはどの職種も同じでしょう。そうなると日常に追われ、ついついデスクワークに没頭してしまいがちです。特にITの普及により、研究室のイスに腰掛けたまま、膨大な情報が得られるようになりました。便利な反面、文献資料やパソコンの情報が全てだと錯覚してしまいそうになります。
自分の視野だけにとらわれず、学会や研究会、プロジェクト等さまざまな場に出かけ、研究者や関係者、生活者である住民や事業者と接し、話を聞き、議論し、情報交換する。また、知らない都市、行ったことのないまちへも実際に出向き、できるかぎりその場で五感を働かせる。公言するほど上手くできてはいませんが、このように心がけながら日々取り組んでいます。
Q 何故今の研究分野が面白いと思いましたか
A 日本では、少子高齢化や人口減少、インフラの老朽化等の社会的課題が顕在化してきました。特に、計画的につくられたニュータウンや大規模団地では、これらの課題が先鋭的に表面化しています。この研究分野は、緊急の課題を抱え、社会的な要請も高まっており、やりがいと責任を感じています。
都市やまち、私たちの生活は、「つくる」から「つかいこなす」時代への移行が求められており、持続可能なまち、社会、そしてそれを支える仕組みづくりを研究していきたいと考えています。