
理想の研究者、そして建築家になれるよう、何事にも挑戦していきたいです。
山口 彩 やまぐち あや
武庫川女子大学 生活環境学部 建築学科 助教
プロフィール
- 2010年 3月
- 武庫川女子大学 生活環境学部 建築学科 卒業
- 2012年 3月
- 武庫川女子大学院 生活環境学研究科 建築学専攻 修士課程 修了 [ 取得学位:修士 ( 建築学 )]
- 2015年 3月
- 武庫川女子大学院 生活環境学研究科 建築学専攻 博士後期課程 修了 [ 取得学位:博士 ( 建築学 )]
キャリア
- 2012年~2015年
- 武庫川女子大学 生活環境学部 建築学科 助手
- 2016年~
- 武庫川女子大学 生活環境学部 建築学科 助教
Q&A
Q 進路のきっかけは何ですか
A 建築設計・デザインの仕事に就くと同時に、学術的な知識を拡げた研究をしたいと思い、建築学科の助手になることと博士後期課程へ進学することを決めました。
研究をしたいと思ったきっかけは、大学院修士課程1年生の時に参加したトルコでの海外研修です。研修中はイスタンブールを中心にその周辺の都市を訪れ、宮殿の保存修復現場や工房での実習に参加しました。街並みや建物の視察で、東洋と西洋の文化が融合している雰囲気を体験でき、非常に感動しました。そしてさまざまな文化について理解を深めたいと思い、修士課程での演習や修士研究などでも日本とは異なる文化圏に着目し、課題に取り組みました。
Q 夢の実現に向かって努力したことはどんなことですか
A 「夢に向かって努力する」というより、研究や設計プロジェクト、担当授業など、目の前の課題をクリアするのに精一杯というのが現状です。研究以外にも昨年は、建築学科の教員が所属する一級建築士事務所「武庫川女子大学 建築・都市デザインスタジオ」で委託を受けたモザイクタイル画(幅 4m・高さ 2.2m)制作の主任担当として携わりました。契約の手続きや、発注者(施主)との打合せ、制作作業をする学生のスケジュール調整などを行い、実社会へ貢献することもできました。さらに1cm角のモザイクタイルを1つ1つ並べた経験から、イスラーム建築に施されているモザイクタイルによる空間演出手法にも興味が湧き、研究を始めています。さまざまな経験が研究のヒントになっています。理想の研究者、そして建築家になれるよう、何事にも挑戦していきたいです。
Q 何故今の研究分野が面白いと思いましたか
A 現在、イスラーム建築に関する研究をしています。イスラーム文化は日本とは全く異なる自然環境のもとで育まれた文化です。そこで博士論文では、イスラーム建築の基礎研究としてイスラームの聖典であるクルアーンに記述される自然の要素の太陽・月・星・山・谷・川・泉・木を取り上げ、各自然の要素が神や人間とどのように関わっているのかを分析しました。引き続き現在は、各自然の要素を包括する大地と天に焦点を当てて研究しています。昨年は本学建築学科が主催した 第4回 国際会議「シルクロードを通して見た建築と文化」でその研究成果を発表しました。イスラームに関する日本の研究者は、まだまだ少ないので、国際会議で、海外の研究者や考古学などの他分野の研究者と意見交換ができたのは、非常に有意義な経験でした。