
もっと知りたいという情熱で、突っ走ってきました。
中瀬 朋夏 なかせ ともか
武庫川女子大学 薬学部 薬学科 准教授
プロフィール
- 1999年
- 武庫川女子大学薬学部生物薬学科卒業
- 2001年
- 大阪大学大学院薬学研究科博士前期課程修了 修士(薬学)
- 2004年
- 大阪大学大学院薬学研究科博士後期課程修了 博士(臨床薬学)
大阪大学大学院医学系研究科SORST研究員 - 2005年
- 米国ワシントン州パシフィックノースウエスト研究所 博士研究員
- 2006年
- 大阪大谷大学薬学部助手
- 2006年~2007年
- パシフィックノースウエスト研究所協力研究員(兼任)
- 2007年
- 武庫川女子大学薬学部講師
- 2015年
- 武庫川女子大学薬学部准教授 現在に至る
キャリア
大学卒業→大学院修士課程→大学院博士課程→学位取得→博士研究員→結婚→留学→大阪大谷大学助手→武庫川女子大学薬学部講師→第1子誕生→武庫川女子大学薬学部准教授
Q&A
Q 進路のきっかけは何ですか
A 幼い頃から、虫や花の観察が好きだったので、漠然と、研究に興味がありました。大学•大学院では、興味深い研究テーマのもと、新たな発見は世の中の常識を覆すこともあるというワクワクした気持ちで研究に取り組みました。研究を進めていくと、常に思うような成果が出るわけではなく、逃げ出したい時もありましたが、幸運にも、研究が心から好きで熱心な先生と先輩、日夜、研究も遊びも切磋琢磨できる同級生や後輩に囲まれ、しんどくても自然に研究を楽しんでいました。さらに、学生でありながら、最新の知識と技術を要する実験や国内外で著名な先生を目の前にして発表する等、自分の能力の限界以上のことに挑戦する機会を与えられることもあり、その中で、小さいながらも成功を掴み、達成感を味わう貴重な経験ができました。このような学生時代の環境から、自分の努力がどこまで通用し、不可能を可能にできるのか、一生チャレンジが必要なやりがいがある職業は研究だと考え、学位取得後は研究ができる道へ進む決心をしました。
Q 夢の実現に向かって努力したことはどんなことですか
A 未だ治らない病気の治療法開発に繋がる重要な研究分野を開拓し、社会に貢献したい。これは、研究者にとって使命でもあります。時にはその使命感がプレッシャーになるときもありますが、研究が好きという気持ちと、なぜこのような現象が起きるのか、もっと知りたいという情熱で、突っ走ってきました。研究の世界で置いてけぼりを食らわないように、常にアンテナを張り、研究者同士の交流には積極的に足を運びます。研究以外のことが忙しいときでも、なんとか時間を作り、コツコツと研究を継続できるように考えてきました。今は後輩に夢を与え、共に夢を持って研究できるよう努力したいと思っています。
Q 何故今の研究分野が面白いと思いましたか
A 研究の面白いところは、とことん追究した先にある新しい事実との遭遇と感動の連続であることだと思います。5年前、研究室の学生と共に、私達の体にとって必要不可欠なミネラル栄養素として注目されている亜鉛が、乳がんの運命を左右する力があることを見つけて以来、亜鉛に魅せられています。未だ謎に包まれている亜鉛の神秘を紐解くことにより、副作用の強い抗がん剤に頼らなくても良い乳がん治療法を開発できる可能性があるので、人生をかけて、研究に取り組みたいと思っています。
Q 自分の子供が研究者になりたいと言ったらどうしますか?
A 嬉しいです。お互いの得意分野をぶつけあって、共同研究できたら最高です。私は、研究は努力を裏切らないと考えています。中途半端ではなく、正しい方向へ向かった地道な努力は、たとえ期待していた結果に結びつかなくても、努力したというプロセスから道が拓けると信じています。研究と育児の両立は大変ですが、どちらもかけがえのない時間です。同職種である旦那の協力と周囲の人達のサポートがあってこそ、皆に感謝しながら、助けられています。また、このような中でのいろいろな人達との出会いは、人生を豊かにしてくれると思います。