衣と住を総合的に


 私たち人間の「身の回り」ということを考えたとき、最も近くにあるのは衣服です。そしてその回りには、多様な生活財やインテリアや住空間があり、住居・建築、街・都市が広がっています。そういった「衣」と「住」を総合的にとらえていこうというのが、生活環境学科のカリキュラムの考え方です。したがって、生活環境学科は、被服学科でも住居学科でもインテリア学科でも、また工学部系の繊維学科でも建築学科でもありません。衣から住までのソフトな面とハードな面を総合的に視野に入れた、基礎と感性を身につけた人材を養成することを目的としています。
 私たちは今まで様々な「モノ」を作ってきました。その結果多くの「モノ」が氾濫しています。「モノ」をいかに作るかはもちろん重要ですが、現代においてより大切なことは、作ることよりも、快適で健全な生活環境にとって真に必要なものは何かを見すえた上で、よいものをいかに選ぶか、そしていかに使うか、実生活者としてのの視点を持つことです。そのための判断力や感受性を備えることが不可欠になっています。生活環境学科では、「衣」と「住」についての知力、評価力、企画力、創作力、表現力、編集力、調整力をバランスよく身につけます。その結果として生活環境の設計、制作、管理、運営などの能力を修得できます。
 生活環境の中心に位置するのは、人ですが、その人は、男性であったり女性であったり、若者であったり、高齢者であったりといろいろであり、様々なライフスタイルを持っています。中心となる人が変われば、その回りにひろがる生活環境も必然的に変わります。その人にとって、衣と住の快適で健全な生活環境とはどういうものかを探ることができるようになることも重要です。


学びの特徴


文系・理系融合のカリキュラム

「衣」と「住」は、一見関係が薄いように思えますが、衣服や服飾品にしても、生活財やインテリアや住居や都市にしても、デザイン・材料・文化・創造・感性という観点から見ると多くの共通性があります。「衣」や「住」の中にあるデザインはどのような歴史を持っており、人々はどのような感性でそれらをとらえているのか、「衣」や「住」を構成する材料にはどのような特質があり、それを活かしてどのように用いられているのか。生活環境学科では、それらを総合的・連続的に学びます。いくらデザインがよくても、材料が悪いために品質のよくないものができてトラブルになることだってあります。品質がいくらよくても、デザインがまずければ人々に見向きもされないでしょう。  このようなことから、生活環境学科では、デザインや文化やそれらの歴史を学ぶといった文系の分野と、材料の物理的性質や化学的性質を学ぶといった理系の分野の両方を学んで行きます。

コースに分かれてより専門的に

大学生活環境学科では、暮らしの中の「衣」と「住」を中心とした内容を、総合的に関連づけながら学びます。そのため、広い視野に立った知識や概念や技術を修得することができます。それを基盤にした上で、さらにより専門性を深めるために、2年次から

  • 生活デザインコース
  • アパレルコース
  • 建築デザインコース

の3つのコースに分かれて学びます。ただし、コース独自の科目のみを学ぶのではなく、3コースに共通や2コース共通の科目も多く学びます。さらに深く勉強しようという人には、大学院(生活環境学研究科・生活環境学専攻)へ進学する道もあります。修士課程修了後に、博士後期課程へ進むこともできます。


コース紹介


生活デザインコース

生活に関する「調査」と「デザイン」をキーワードに、暮らしの文化を幅広く考えることを通して、生活の中の課題を発見し分析する力を身につけることができます。また、プロダクト、パッケージ、インテリアの3分野で魅力的なアイデアを形とともに提案する力を身につけることができます。

アパレルコース

アパレルに関して、感性と専門知識に裏付けされた豊富な商品知識を生かして活躍ができるよう、アパレルに関する知識や技能、デザイン力を身につけ、企画・造形面の素養を深めるとともに、服飾素材の品質や特性・加工など、衣服の機能性を高める知識も学びます。

建築デザインコース

いかに暮らすかの視点から、生活空間である住宅や公共施設から街、都市までの様々な空間と、それを支える仕組みについて、多角的な視点から学びます。その内容は、インテリアにおけるモノの配置や内装、建物の計画、構造、設備などの生活空間を維持する仕組み、街の計画や街づくりにまで及びます。