環境共生学部
ABOUT
温室効果ガスの排出、異常気象、海洋や土壌汚染、生物多様性の縮小―。
地球環境に現れた様々な危機の課題解決に挑み、持続可能性を追求するには、
あらゆる事象に問いを立てる柔軟な発想力、事実を正しく理解する科学的知識、何より行動力が必要です。
2025年4月、武庫川女子大学に誕生する環境共生学部は、徹底した現場ファースト。
山、川、海をはじめ、環境関連施設に足を運び、フィールドワークで地球が抱える課題に迫ります。
ENVIRONMENT
女子総合大学だからこそ実現する、
充実した学びの環境
フィールドワークには本学の施設である丹嶺学苑研修センター(神戸市北区)、名塩野外活動センター(西宮市)、時にはアメリカ・ワシントン州にあるアメリカ分校を活用。産官学のコラボレーションで地域との連携も深めます。
新たに誕生するプロジェクトルーム。フィールドワークで得た問いを持ち帰り、プロジェクトを設定。複数のチームに分かれて活動します。お互いに刺激し合いながら、それぞれの課題に向き合います。
教員には様々な専門領域をカバーする各分野の専門家を配置。プロジェクトごとに担当教員を配置し、専門性に特化した科目選択を支援します。地球温暖化対策、環境防災、水質保全、生物多様性、バイオテクノロジーなど学べる領域は多彩です。
QUESTION
どのような人にオススメですか?
SDGsの達成に貢献したい方、環境分野でグローバルに活躍したい方、イノベーションを起こしたい方、研究力をつけたい方、謎解きや探求が大好きな方、地域に貢献したい方などにオススメします。
ムコジョの環境共生学科の学びの特徴は何ですか?
・社会連携プロジェクトなどの実践を中心に各自の学びを組み立てることで、課題解決力を養います。
・豊富で多彩な自然と都市の環境、プロジェクト用の自由度の高い専用ルームなど、学びの環境が充実しています。
・文系、理系の区分にこだわらず、問いを立て、課題を発見し、その解決に向かって学ぶ姿勢が身につきます。
3つの系とは何ですか?系に分かれて学ぶのですか?
「環境保全系」「環境共生系」「環境資源応用系」の3つの系は、科目の分類名であり、系に分かれて学ぶのではありません。3つの系の多彩な専門科目からバランスよく科目を選択し、環境にまつわる科学の幅広い知識と視野を身につけます。
興味はありますが、できたばかりの学部学科なので不安です。PR点はありますか?
できたばかりの学部で学ぶことには一長一短があると思います。長所として、環境共生学科の教員は、大学での教育研究者だけでなく、企業や研究所、公共機関で活躍してきた者も多く、教員の多様性は抜群です。様々な観点・専門性から学生の学びをサポートします。授業で教員とコミュニケーションを取る機会も数多くあると思います。教員にとっても模索しながら授業を行なっていく部分もあると思いますが、試行錯誤そのものが、課題解決で必ず通る道であるため、学生と教員が共に試行錯誤して進めていくことも必ずしも欠点ではないと考えています。実績がまだないことは否めませんが、企業を含むすべての組織が環境・サステナビリティ・持続性の観点もふまえて経営するように急速に変化している時代の人材育成の要請に応える意義もあってでできた新学部です。ぜひご参加・ご賛同ください。
動植物が好きではありませんが、大丈夫ですか?
実験室で物質を扱う化学系の研究室もありますので大丈夫です。野外活動を行う演習などでは、安全への対策と準備を十分に行った上で、最終的には自己判断でどこまで活動するかを考えることになります。例えば、植物採取のための登山をしない代わりに、採取したサンプルの分析などで野外の状況を調査する、といった選択肢があります。
文系ですか、理系ですか?
学科の授業科目で見れば、政策論や経済学などのソーシャルデザインに関する科目群は文系寄り、水質管理や防災などの環境管理技術に関する科目群、再生可能エネルギーや高分子材料や化学分析法などの応用化学に分類される科目群、遺伝子組み換えや分子生物学などの生物工学に分類される科目群は理系寄りと言うことはできますが、社会がかかえる課題に立ち向かうには文理にとらわれず様々な観点が必要です。課題を解決するための基礎理論やツールとして、これらの分野をバランスよく学びます。
文系ですが入学できますか?授業についていけますか?
環境共生学科では、高校でのいわゆる理系と文系の生徒の両方から学生を募り多様性のあるメンバーでの学びを実施したいと考えているため、文系の方でも受験可能な選抜方式を設定しています。具体的な科目等は、入試案内等をご覧ください。1年前期の必修科目では、SDGsの各目標をキーワードに、生物、化学の内容を含む知識を整理するため、ここで追いつくことが可能です。また専門科目の一部は(数学Ⅱ・B)程度の数学を含みますが、目的のためにツールとして使う数学であり、その時に理解し学ぶことも可能です。また、英語が得意な方は、グローバルコミュニケーションの基礎となる2,3年次の「環境英語」4年次の「環境研究英語」TOEIC認定英語での単位認定、など特に多くの科目で有利です。
どのような専門分野が学べますか?
専任教員の専門領域は、地球温暖化対策、環境防災、水質保全、生物多様性、バイオテクノロジー、応用化学など多彩です。
【フィールド・環境施設実習】とは何ですか?
1年次前期に行う必修の実習演習授業です。人と自然の関係性について話し合うことなどを通じて、グループワークに慣れると共に、地球・自然環境や社会生活に必要な環境関連施設を体感・体験し、体験や課題を共有しながら、自分なりの課題を発見するスタートとする
社会連携プロジェクト】とは何ですか?
1年次後期から3年次前期に行う必修の演習授業です(後半は科目名が「プロジェクトコミュニケーション」になります)。環境問題に関する各プロジェクト(あるいはテーマ)に取り組み、グループワークを中心に課題発見、課題解決の案を立てていきます。教員は各自の専門も活かして一緒に探求します。企業・行政などとの連携などの展開も目指します。科学技術も解決策に取り入れる工夫を行い、フィールドワークや実験も行います。これらを通して、現実の課題を解決・あるいは持続的に改善する能力を養成します。
【社会連携プロジェクト】では具体的にどのようなプロジェクトを行いますか?
・例1:「環境政策」や「気候変動」が専門の教員と、気候変動による生物変化を緩和するプロジェクト。
・例2:「微細藻類」や「水圏環境」が専門の教員と、藻類による都市での燃料産生プロジェクト。
・例3:「微生物」や「高分子」が専門の教員と、環境を修復する微生物の発見を目指すプロジェクト。
・例4:「物質動態」や「ナノテクノロジー」が専門の教員と、大気中の微細プラスチックを調査するプロジェクト。
(注意:これらはあくまで例です。実際は事前に内容は固定せず、学生主体で教員とも相談しながら進めます。)
【ラボローテーション実習】とは何ですか?
2年次に、16研究室の中から興味のある研究室を複数選び、研究を体験する選択必修科目です。実際の手技・技術を体験することを通じて、各分野での課題解決の思考法を学びます。
実験科目は何がありますか?何に役立ちますか?
「基礎実験」では化学、生物学、物理学に関する実験を、「環境技術実験」では環境分析などに関する機器を用いた実験や演習を行います。化学合成、分光分析、クロマトグラフィーなど理工系の各学部で学ぶ実験技術との共通部分も多くあります。これらを通して、環境科学の研究手法に親しみ、環境を知るための技術の基礎が身につきます。
海外留学について教えてください。
3年次に選択科目として設定する「環境英語演習(留学プログラム)」では、グローバルな社会問題を解決するための国際感覚を養うことを目的として、アメリカ分校MUSCに約4週間滞在し、現地教員による英語コミュニケーションの授業とともに、地域の自然観察や環境活動についての探究、英語での他学科や地域住民に対しての発表・質疑応答などを行うことで理解を深めます。
連携企業や団体はどこですか?
現在、株式会社モンベル、グッドホールディングス株式会社、日本盛株式会社、国立環境研究所などと連携し、実習演習での訪問やパートナーシップを計画しています。
学外でのフィールドワーク等の費用はかかりますか?
全員が参加する(必修科目の)訪問先は、原則としてバスをチャーターする等で費用を学科負担します。ただし状況によっては現地解散等で一部個人負担になる場合もあります。一方、選択科目での野外活動(例えば、カヤック体験)などについては、交通費、レンタル等の費用は原則個人負担になります。
取得できる資格【理科の教員免許】について教えてください。
中学校教諭一種免許状(理科)および高等学校教諭一種免許状(理科)が取得可能です。ただし、学科の卒業要件に必要な単位修得に加えて、教職課程科目を単位修得する必要があります。免許取得希望者は、入学時の説明会に参加してください。
取得できる資格【博物館学芸員】について教えてください。
博物館学芸員資格が取得可能です。ただし、学科の卒業要件に必要な単位修得に加えて、教職課程科目を単位修得する必要があります。資格取得希望者は、入学時の説明会に参加してください。
学科で学んだことが資格試験受験時に役立つ資格を教えてください。
自然再生士補と危険物取扱者(甲種)については、一部の科目免除や受験資格を得ることが可能です。また、学科での学びが受験時に役立つ資格として、サステナブル経営/CSR検定、バイオ技術者(初級・中級・上級)、環境計量士(濃度関係)、公害防止管理者(水質関係、大気関係)、エネルギー管理士(熱分野)などがあります。
資格は取るべきですか?
環境共生学科では、自身の進路や就職の目標が明確になってきた段階で、必要に応じて関連資格の取得を目指すことを基本方針としたいと考えています。就職の観点からは、関連資格取得は、希望職種への準備のアピールや就職後の資格手当として役立つ場合もあると思います。しかし、多くの場合、採用で主として評価されるのは、課題解決力、協働する力、コミュニケーション力などのより一般的な能力であると心得て学びを計画していくことを推奨します。ただし上述のように教員免許と学芸員資格については、取得のために追加科目が必要であることから入学時までに方針を考えてください。
就職先はどこですか?学んだことがどのように役立ちますか?
学科での学びと特に関連する進路としては、サステナビリティコンサルタント、バイオ系研究者、エネルギー系研究者、環境保全技術者、エコツアープランナー、各企業でのSDGs推進担当者などがあります。重要な課題を発見し、対策を考え解決していく能力はどの職種にも必要です。また、環境測定・分析技術、エネルギー利用の技術、化学合成技術、遺伝子や細胞を扱う技術などは、専門性のある職種に就職する時に役立ちます。
大学院はありますか?
まだありませんが、将来設置予定です。環境分野は様々な研究分野と繋がっているため、他大学を含む幅広い分野への大学院進学の可能性があります。