令和2年度 働き方公開セミナー 報告
2021年4月8日
文部科学省科学技術人材育成費補助事業
ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)令和2年度 働き方公開セミナー
なぜ今、日本で男女共同参画が必要なのか
~アンコンシャスバイアス(無自覚な偏見)を超えて~
動画閲覧の希望者は、gsankaku@mukogawa-u.ac.jp へメールで申し込みください。
2021年2月20日(土)13:30~15:00にオンラインで働き方セミナーを開催しました。
一般の参加者を含め、36名の参加がありました。
講師に京都産業大学現代社会学部客員教授の伊藤公雄先生を迎えて,「なぜ今,日本で男女共同参画が必要なのか ~アンコンシャスバイアス(無自覚な偏見)を超えて~」の演題でご講演いただいた.
はじめに,多様性のあるグループが成果を上げ,女性リーダーの国が順調に発展している事実から,男だけの社会はケアの視点を欠いてしまいがちであることが指摘された.現代日本の社会はGDPや男女共同参画の推進において停滞している.その要因の一つは,日本が産業構造の転換に対応しきれず男性主導の古い組織や経営を維持したことである.
歴史を辿ると,戦国時代の日本女性は強く,幕末史料には「イクメン」の姿もあり,身分が性差を超えていた.男女格差は明治以降の近代化とともに拡大した.日本には欧米よりも男女平等な一面もあったが,国際社会が変革期を迎えた20世紀末には変化に対応せず,男性の長時間労働と専業主婦のパートタイム就労で経済成長を遂げてしまったことで,次世代に向けた基盤づくりが遅れてしまった.この遅れを取り戻すためにも,今後の社会の変化に適応していくためにも男性が変わる必要がある.男性に求められる能力は「ケアの視点,ケアする能力,ケアを受け入れる能力」である.日本はまだ,「古いタイプ」の男性が主導する同調型集団主義の社会である.そこに生まれる遠慮や忖度は改革への障害である.更なる一歩を踏み出すためには,2つのG(Generation, Gender)に捉われない協調型集団主義を目指す必要がある.男女の二色刷り社会から多色多様なダイバーシティに開かれた社会を展望して講演が締めくくられた.
質疑応答によって講演内容がさらに深まり,参加者それぞれが充実した時間を過ごせました。
男女共同参画推進室 室長 澤渡千枝
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