福井大学教育地域科学部 田中美吏研究室      Sport Psychology & Human Motor Control/Learning Lab.
研究室ゼミ

進行中の外部資金研究課題
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<研究代表者として実施する研究>
研究課題名「プレッシャー下での運動行動システム―個人内から個人間への理論の拡張―」、研究代表者:田中美吏(武庫川女子大学)、研究分担者:升本絢也氏(広島文化学園大学)、基盤研究(C)、令和6〜8年度.

研究課題名「プレッシャー下でのパフォーマンス―意思決定を含めた包括的理解―」、研究代表者:田中美吏(武庫川女子大学)、研究分担者:佐々木丈予氏(国立スポーツ科学センター)、基盤研究(C)、令和2〜6年度.



研究テーマ

テーマ@ 心理的プレッシャー下における運動行動システム

スポーツの試合場面における心理的プレッシャーの克服は、多くのスポーツ選手が抱える大きな悩みです。本テーマでは、プレッシャー下ではなぜ普段通りのプレーが出来ないのかに迫ることを目標に、プレッシャー下でスポーツ動作から日常生活動作に至るまでの様々な運動技能を遂行するときの行動システムの解明を試みています。注意、思考、感情、知覚などのプレッシャー下での心理面がパフォーマンスにどのように影響するかを調べるとともに、心拍や自律神経活動、皮膚電位抵抗などの生理指標も交えた検討を試みています。加えて、経頭蓋磁気刺激報(TMS)による運動誘発電位(MEP)、ならびに脊髄反射(H反射)を記録することで、高次中枢(大脳皮質)から低次中枢(脊髄)に至るまでの運動神経の興奮性を調べることや、筋電図(EMG)や動作解析および重心動揺による運動出力がパフォーマンス結果(成績)にどのように影響するかについても詳細に調べています。


テーマA 「あがり」の適切な対処法の構築や提案

スポーツにおける「あがり」に関するこれまでの多くの研究では、認知的、生理学的、運動学的側面から「あがり」が生じる原因や、「あがり」時の症状を調べることが研究目的の中心でした。上に説明したテーマ@の研究もその一部と捉えることができます。このような研究から得られている知見をベースに、どのように「あがり」を適切に防ぐことができるかについての研究は、非常に大事な研究なのですが、実はここ数年で徐々に発展してきている研究分野になります。これまでの「あがり」に関する原因や症状を調べた先行研究から得られている知見を十分に活かし、認知的、運動学的、神経生理学的アプローチから、様々なスポーツ種目や運動技能に対して適切な対処法を構築し提案していけることを目標としています。


テーマB アスリートのイップスに関する実態調査と原因究明の基礎研究

野球やソフトボールの投球や送球、ゴルフのパッティングに代表されるように、長年の練習により自然に出来ていた動作が失調し、そのスキルのパフォーマンスが低下することはイップスと呼ばれ、多くのスポーツ選手が抱える悩みの1つであります。イップスが生じる原因には、心因性と神経性の両方があると提唱されていますが、その裏付けとなる学術研究は国内さらには国外を見渡しても数が少ない現状にあります。イップスに悩むスポーツ選手の助けになる研究実施を大きな目標に、先ずはスタート段階として、アンケート調査によるイップスの実態調査研究と、イップスを生じさせる運動制御メカニズムを究明する実験研究に取り組んでいます。


テーマC アスリートの競技力向上に対するメンタルサポート

心技体という言葉にもあるように、スポーツ選手の競技力向上や試合における実力発揮には、スポーツ科学に関する様々な分野のサポートが必要であり、メンタルサポートもその1つである。競技力向上や心理面の課題に関する個人面談を中心に、当研究室ではスポーツ選手に対するメンタルサポートを実施しています。

<以前のサポート活動>
 ・ライフル射撃ナショナルチーム選手
 ・フットサル社会人チーム JOGARBOLA (2012年度北信越リーグ優勝) <チームのHPへリンク>
 ・アミノヴァリュー・ランニングクラブin福井(AVRCinFukui)
 ・福井県スポーツ医科学センターにおける心理相談
 ・プロゴルファー、プロゴルフ研修生、アマチュアゴルファー
 ・大学男子バスケットボール部
 ・高校男子バスケットボール部
 ・サッカーユースチーム
 ・企業研修
 ・高校や中学における受験対策