Q & A


高校生の皆さんに、生活環境学科のことを、Q&A形式で説明します。

他大学と違う、生活環境学科の特徴は何ですか?

私たちの暮らしを取り巻く⽣活環境は、これまで分野や領域によって細分化され、それらの総和として成り⽴ってきました。しかし、未来の豊かな暮らしを創造するためには、従来の分野や領域を超えた視点と技術が求められています。本学科の教育カリキュラムでは、⽣活環境に関わる専⾨的な知識や技術の修得は当然のこととして、異なる領域の知識や技術を組み合わせることで、新しい価値を⽣み出す⼒を修得することができる点が特徴です。従来の領域を超えた領域横断型あるいは領域融合型の教育カリキュラムは、教員や学⽣による研究成果や、学⽣の就職先にも表れています。従来の分野や領域を超えた学びこそ、未来の暮らしを創造することにつながる。それが、私たち⽣活環境学科の強みです。

何が学べるのですか?

⽣活環境学科では、ひとともののつながりを学びます。⾐服、雑貨、インテリア、住まい、建築、まちのように⾝近にあるカタチあるものに加え、アート、メディア、コミュニケーション、⾷、伝統、⽂化、ファッション、感性など、わたしたちを取りまく環境を広く知ることで豊かな暮らしを創造します。そのためには、歴史的・⽂化的視点や、デザイン的視点、科学的・⼯学的視点が必要です。専⾨的な知識や技術を修得するだけでなく、分野や領域を横断した学びを通じて、新しい生活環境を創り出すことができるのが本学科の学びの特徴です。

特定の領域だけを学ぶことはできますか?

生活環境学科で学ぶ対象は、デザイン・材料・文化・創造・感性という観点から見ると多くの共通性があります。生活環境学科では、1年次前期では「衣」や「住」だけではなく、生活に関連するものや状況を幅広い視点から学びます。1年次後期から1領域を選択して専門性を深めた後、3年次後期に領域を横断したプロジェクトに取り組みます。何よりもよき生活者として、分野を超えた視野を持つことができる人材の育成を目指しています。

理系ですか文系ですか?

生活にかかわる文化やそれらの歴史といった文系の分野と、材料の物理的性質や化学的性質といった理系の分野の両方を学んでいきます。また、デザインなど造形系の要素もあります。衣と住、文系と理系と造形系、作る立場と選び使う立場、多様な角度から生活をとらえることのできる柔軟で広い視野を持つ人材を育成します。

理系は苦手ですが、入学後、大丈夫ですか?

1年次前期の科目や各領域の専門科目において基礎から科学的に物事を理解する力を付けてもらうようにしています。生活環境学科の科目は、自分の専門に関係の深い部分を基礎に振り返って効率的に学びますので、理系が苦手な人も興味を持って取り組めると思いますし、不安を持って入学した多くの先輩たちも取り組めています。

カリキュラムの特徴は何ですか?

生活環境は分野や領域を超えて連続したものと考えるため、1 年次後期から1領域を選択した後も、他領域の学びを深めることができます。具体的には、他領域の多くの講義科目を履修することができ、それらの履修を推奨しています。
また、生活環境学科では、未来の暮らしを創造する中でも特に、暮らしを取り巻く生活環境を創り出すことに重点を置いています。その実践的に役立つ視点や技術を養うために、また本質的な理解や考え方につながるように、自ら体験して学ぶ実習、実験、演習に力を入れています。

3つの領域の特徴は何ですか?

未来の暮らしを創造するためには、領域横断型あるいは領域融合型の視点と技術が必要です。極めて広範な生活環境に対して、明確な境界を設けず、領域間の重なりを設けるために、従来の学問分野を拡張した3つの領域を設定しています。具体的には以下の通りです。
◆衣環境・アパレル領域では、衣から未来を考え、創造することを学びます。アパレルやファッションの素材の特性とともに、作る・着る・循環するプロセスを学ぶことで、衣服を通していろいろな人の生活をコーディネートする力を養います。
◆生活文化・デザイン領域では、生活を調査し、文化を知り、デザインへとつなげます。暮らしに関わる多様な調査手法を学び、歴史・文化・地域について考える力と、パッケージ、雑貨、家具、インテリア、ショップなどのデザインを提案する力を培います。
◆住環境・まちづくり領域では、暮らしを豊かにする空間デザインの技術を身につけます。住む人らしさを表現し、環境に配慮した住空間の設計と、人とまちがつながるまちづくりのしくみや手法を実践的に学びます。

生活環境学科の領域分けはどうやって行われるのですか?領域の定員は何名ですか?

領域分けは、可能な限り本人の希望に沿うように行われますが、各領域の教育の質を高めるため、各領域の定員(上限)を70名程度としています。希望者がその上限を超えた場合は、1年次前期定期試験終了時の成績によって選抜します。なお、どの領域に所属して、どのような学びをすれば、どのような専門性が身に付き、どのような資格取得につながるか(どの領域でどの資格が取得できるか)については、1年次前期の学びを通じて理解を深めていただくことにしています。

大学1年次後期の領域分け後、途中で領域の変更はできますか?

領域変更は、原則として認めません。

建築士の受験資格をとることができますか?

一級建築士は、所定の単位を取得して卒業すれば受験でき、最短2年の実務経験があれば、一級建築士の登録ができます。また、所定の単位を取得して卒業すれば、二級建築士の受験資格が得られ、合格すれば二級建築士が取得できます。本学科の卒業生も毎年、一級・二級建築士の資格を取得し、社会で活躍しています。

建築学部と生活環境学科の住環境・まちづくり領域との違いは何ですか?

生活環境学科では、人間の身体を中心にとらえ、その周辺に、衣環境、生活文化、住環境、まちと、生活環境の領域が連続的に広がるという考え方を重視しています。そのため住環境・まちづくり領域では、生活環境の中のすべての空間を対象としており、建築空間に限らず、都市や集落、自然環境など人の生活に関わるすべての空間を対象とします。住環境・まちづくり領域では、それらの空間を「創る」力と「活かす」力の修得を目指しています。