HUMANITIES SOCIAL SCIENCES
社会的孤立・孤独は、喫煙や肥満に匹敵するほど死亡率や抑うつリスクを高めますが(Science.2015;10:227-237)、個人の攻撃性や反社会性を高めるため(J Personal Soc Psychol.2001;81:1058-1069)、社会規範の弱体化、治安の悪化、自殺者の増加につながります。
日本では、社会的孤立・孤独を当事者の自己責任としてとらえる傾向が強いですが、社会・環境・時代の変化によって誰にでも起こるものです。
例えば、外国ルーツの若者が地域社会に増加している現状がありますが、言語や文化・習慣の違いから、地域住民との交流の機会も少なく、社会的孤立・孤独に陥りやすいため、地域住民の多文化共生社会への意識醸成がなかなか促進できない状況です。
特に命に関わる医療・福祉分野への不安は大きく、外国人も安心して医療にアクセスできる多機関ネットワーク構築が求められており、外国ルーツの住民も含めて誰も排除しない社会を目指すための医療通訳のしくみづくりなどにも取り組みたいと考えています。
そして、この分野においても、社会的孤立・孤独の予防法を明らかにしていくことで、日本の地域社会そのものの課題解決の糸口を探りたいと思います。
教授
吉富 志津代
この部門では、若者や高齢者の社会的孤立・孤独の一次予防を目的として、人文・社会科学と自然科学が融合した研究を進めたいと考えています。
具体的には、外国ルーツの住民も含めて誰も排除しない社会を目指すための医療通訳のしくみづくり、過疎地域の持続可能性、若者の地域定着意向の規定要因、女性の社会参画が地域に及ぼす影響、精神保健領域の生活支援、家族の困難や家族支援、メンタルヘルス・スティグマに関する啓発・教育などに取り組みたいと思います。