NUTRITIONAL SUPPORT

栄養支援部門

部門長挨拶

健康科学総合研究所の前身となった研究所では、歴代の先生方の指導の下に、減量を希望する中年女性を対象に栄養学講座を開講し、食でつくる健康を意識した減量指導に取り組んでまいりました。このたび健康科学総合研究所が、複数のライフステージにおける女性の健康状態を評価し、健康づくりや疾病予防に生かそうとしている中で、私たち栄養支援部門は、大学の女子学生や子育て世代の若年女性を研究の対象としています。
多くの女子学生は、大学で学びながら課外活動やアルバイトをこなすため、高校生までとは異なる個別スケジュールでの生活となり、食事の時間や質や量を自分で選択することが多くなります。大学卒業後の女性も同様ですが、特に伴侶や子供がいる場合は、自分の思うように食事をコントロールすることは難しいと考えられます。
ひとの体は食べるものでつくられます。上記のように多忙な中で摂る食事が、症状のない貧血や、見た目以上に体脂肪率の高い隠れ肥満の原因となっているかもしれません。私たちは、若年女性の食習慣と健康障害との関連性を明らかにすることで、大学卒業後も健康で長く社会で活躍するために、どんな栄養をどのように摂るのが良いかが示されるのではないかと考えています。
その成果によって若年女性の食と栄養のリテラシーが向上し、自ら食でつくる健康を意識して生活できるよう、これまで栄養学講座で培ったノウハウをもとに支援していきたいと思います。

堀木 真由美

准教授

堀木 真由美

部門の研究内容

日本では、世界の中でも低出生体重児(出生時体重が2,500g未満の児)の割合が高いまま維持されており、問題となっています。出生時の低体重は、小児期では知能や身体の発達障害、成人期では生活習慣病のリスクになることが知られています。原因の一つに、妊娠期の母体の低栄養が挙げられていますが、やせの割合が多い若年女性の食習慣が関連している可能性があります。そこで、女子大学の強みを活かして、若年女性における食習慣と貧血や隠れ肥満などの健康障害との関係や、彼らの出生時体重と食習慣との関係を明らかにしたいと考えました。成果が得られれば、若年女性の食と栄養のリテラシーの向上に貢献できますし、彼らの食生活や生活習慣が改善されることで、健康障害や疾病を予防することができます。さらには母体の低栄養を予防し、日本の低出生体重児の割合の低下に貢献できることを願っています。

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