INTERNATIONAL HEALTH DEVELOPMENT

国際健康開発部門

部門長挨拶

国際健康開発部門は、1960年代に日本人の主要死因であった脳卒中のモデルとして遺伝的に脳卒中を必発する脳卒中易発症ラットを開発し、大豆や魚の栄養によって脳卒中が予知・予防できることを実証しましたが、既に発症した疾患を「診断して治療」するこれまでの医療から「予知して予防」する新しい医療を拓くべく、世界保健機関(WHO)の認証を得て1983年に発足した「循環器疾患の一次予防に関する共同研究センター」の研究を京都大学から継承して、2006年に武庫川女子大学に国際健康開発研究所が創設されました。
同研究所では1985年以来WHOの協力を得て世界61地域の健診で採取した24時間尿による栄養のバイオマーカーを分析した結果、日本人は大豆と魚の両方の栄養を摂取しているので、先進国中寿命に影響する心筋梗塞の死亡率が最低で、世界最高の平均寿命を達成していますが、兵庫県下の住民健診で大豆・魚の両方を摂取している人は摂取していない人より食塩の摂取が一日5g近くも多いため高血圧から脳卒中で要介護の状況になりやすいことも検証されました。
そのため日本人の健康寿命は平均寿命より10年も短いことも分かり、適塩で大豆や魚をカリウム・マグネシウムなどが多く、塩分の害を抑える野菜や乳製品を共に摂取することが、和食を“きれいで元気に生きられる”「世界最高の長寿食」にする”賢い食べ方”と分かり、世界の人々、とりわけ百寿者は多いが要介護者が同年齢の男性よりも多い女性の健康寿命の延伸を主たる目標として研究をすすめています。

教授

家森 幸男

部門の研究内容

国際健康開発部門は、統合された新研究所の研究プロジェクトのうち、
1.中高生の健康についての取り組みを担当します。我々が得意とする尿中栄養バイオマーカーの調査で食生活の実態を明らかにし、“女性が健康で活躍できる”取り組みに貢献したいと考えています。
2.京都大学と長浜市が行っている『長浜コホート0次予防コホート研究』に第3期からかかわっており、現在(第4期)も継続して行っています。当研究所は24時間採尿を行い、尿中栄養バイオマーカーからわかる栄養摂取状況を調査しています。

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