大学院(男女共学)/ 専攻科紹介

食物栄養学専攻

修士課程(昼夜開講) 入学定員 8人
博士後期課程(昼夜開講) 入学定員 2人
 社会人特別選抜入試を実施しています。
食物栄養学専攻

修士課程健康栄養科学コースは、食育方法の検討や効果検証、集団での健康増進、疾病予防やQOL改善研究などを行い、同実践管理栄養コースでは、アセスメント結果に基づく栄養状態の改善など、治療学分野で活躍する管理栄養士を養成。博士後期課程も備え、社会人の方も学べる支援体制を整えています。

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主な研究内容

食物栄養科学研究科食物栄養学専攻の修士課程では、2つの履修コース(健康栄養科学コース、実践管理栄養コース)から1つを選び必要な単位を修得するとともに希望する研究室を主宰する教員を指導教員として修士論文を作成提出します。また博士後期課程では、希望研究室を主宰する教員を指導教員として博士論文を作成提出します。

履修コース

A.健康栄養科学コース

公衆衛生学、予防医学の理念および疫学の方法論を重視し、集団における栄養・食生活分野の調査研究、また、個々人の栄養および身体状況の特性を把握し、疾病の治療やQOL改善に益する研究をするのに対応した履修コースです。担当教員の指導のもと、疫学手法を用いた地域や職域の健康問題の解決、集団レベル(グループ・市町・府県・国など)での枠組みにおける栄養問題の調査・分析・介入、栄養摂取状況と生物・物理・化学的環境および心理・社会的環境との相互関係の検討、さらに食をテーマにした健康教育手法の開発と普及方法およびその効果検証などを行い、修士論文を作成します。また、在宅傷病者や独居高齢者を対象とする栄養支援システムの開発や介護予防、健康増進に貢献する研究も行います。

B.実践管理栄養コース

本コースは学外病院等での研修を通じて、生きた専門知識と実践技術(スキル)を有する高度専門職業人としての管理栄養士を育成するコースです。大学と病院等の研修施設との連携のもとに、長期間(1年間)の臨地実習を通じて、患者や施設入居者に対する包括的な栄養アセスメント能力や栄養指導能力を養います。また、Nutrition Support Team(NST)に管理栄養士として参加することにより、チーム医療に関する専門知識を修得するとともに、医師、看護師、薬剤師などの他職種とのコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の向上を図ります。さらに担当教員の指導のもと、研修病院や関連施設と共同研究を行うことにより、最新の学術的知識や臨床研究に関する専門知識を修得するとともに修士論文を作成します。すなわち、本コースは、管理栄養士の資格を有する高度専門職業人や研究者となるための登竜門としての位置づけを持っています。すでに管理栄養士として勤務している社会人には、条件が整っている場合、その勤務施設が臨地実習の場として認められます。

研究内容

公衆衛生学研究室
担当 内藤 義彦
内容 「予防」の理念に基づき、地域・職域・教育等の現場において効果的な生活習慣病対策の在り方を探求します。そのために、各種調査の実施・健康課題の抽出・課題解決型事業計画の立案・生活習慣等の評価方法の開発等を行います。また、「健康」をキーワードとした各種研究テーマ(栄養、身体活動、ストレス等)を設定しています。
〔研究テーマ〕
  1. 地域・職域・教育現場における食育・健康づくりの推進およびその効果に関する研究
  2. 健康づくり・食育に役立つ支援ツールおよび生活習慣改善プログラムの開発とその応用
  3. 身体活動量の評価と身体不活動の実態調査および身体活動支援プログラムの開発と効果の検討
  4. ICTを活用した新しい健康づくりに関する研究
生化学研究室
担当 澤田 小百合
内容 植物性食品を題材として糖尿病予防あるいは治療に有効な成分であるα-グルコシダーゼインヒビターやDPP-4インヒビターを検索しそれらの構造や作用機序を明らかにします。
〔研究テーマ〕

食品中の抗糖尿病因子に関する研究

生化学研究室
担当 土生 敏行
内容 細胞内外での物質交換は、外的な環境に依存して変化させながら、細胞はその機能維持を行っています。細胞内輸送経路や細胞内取込みなどは、その中心的な現象で、生物の根本的な生理機能です。私たちの研究室では、この細胞内輸送経路や取り込み経路に着目した、細胞生物学的な解析を行っています。特に疾患との関連性に焦点を絞り、栄養素、ホルモン、生理活性物質の取り込みといかに疾患と関連しているかを解析していきます。
〔研究テーマ〕
  1. 細胞内輸送網と疾患に関する分子メカニズムの細胞生物学的解明
  2. 受容体を介した細胞取込み経路と疾患に関する分子メカニズムの細胞生物学的解明
  3. 遺伝子編集技術を用いた、有用細胞でのタンパク質、ペプチド合成系の基礎的開発
解剖生理学研究室
担当 大平 耕司
内容 脳の神経回路は、体内外の様々な環境変化や経験に依存して変化します。この性質を脳可塑性と言います。私たちの研究室では、脳可塑性を制御できる栄養素等の物質をスクリーニングし、さらにそれらの物質を活用した精神神経疾患の予防・治療の確立を目標として、分子から認知・行動レベルの研究を展開しています。
〔研究テーマ〕
  1. 脳可塑性に関する分子細胞メカニズムの解明
  2. 脳可塑性を制御することのできる栄養素を含む物質のスクリーニング
  3. 神経精神疾患に対する食事療法の確立
食品加工学研究室
担当 松井 徳光
内容 近年、心筋梗塞や脳血栓などの血栓症、ガンが急増し、社会的に重大な問題となっています。そこで本研究室では、医食同源・予防医学の観点に立ち、毎日の食生活からこれらの疾病予防を目的として、特に微生物の発酵により、新たな機能性食品、有用物質の開発および新たな加工法をクリエートします。
〔研究テーマ〕
  1. きのこの発酵能による機能性食品の開発
  2. きのこ麹の機能性および加工特性に関する研究
  3. きのこ菌糸体による新たなビタミン生成に関する研究
  4. 発酵食品の機能性に関する研究
調理学研究室
担当 仲谷 照代
内容 「疾病と健康」に焦点をおき、生活習慣病や食物アレルギー、サルコペニア、骨粗鬆症などの疾病予防や改善に影響を与える有効(食品)成分の探索、さらに食品の科学的特性を生かし、より効果的に摂取するための調理法を検討し、疾病予防・改善法の提案につなげていきます。
〔研究テーマ〕
  1. 食物アレルギー対応食品の研究
  2. サルコペニア発症予防に貢献する食品開発
  3. 血糖値に影響を与える食品成分と菓子への利用
  4. 骨粗鬆症発症機構の解明と食品成分の効果
基礎栄養学研究室
担当 高橋 享子
内容 栄養素や食品成分は健康維持や疾病予防などヒトに有益であるが、食物アレルギーなど害となることもあります。この食品の二面性に着目し、前者は栄養成分や有効成分の分析と機能性成分の探索、後者は食物アレルギーを研究しています。食物アレルギー研究は専門病院と連携し、食品による治療法の開発を実践しています。
〔研究テーマ〕
  1. 食品成分の分析と生理機能の検証
  2. 食品中の抗アレルギー成分の探索と作用機序の解明
  3. アレルギー患児における低アレルゲン化食品による経口免疫療法の実践
基礎栄養学研究室
担当 松永 哲郎
内容 栄養素や食品成分の機能性とそのメカニズムについて、糖尿病など生活習慣病の発症機構や予防との関連において組織や細胞を用いた分子栄養学的な研究を行っています。また、人を対象として、食事内容と消化(胃排出など)との関係についての研究にも取り組んでいます。
〔研究テーマ〕
  1. 膵β細胞における糖毒性の分子メカニズムに関する研究
  2. 食品の機能性成分の脂肪細胞における抗炎症作用に関する研究
  3. 食事内容とヒトの胃運動や満腹感に対する効果に関する研究
  4. 自律神経活動や胃運動と遺伝要因・環境要因との関連に関する研究
栄養教育論研究室
担当 小林 知未
内容 食環境づくり、食知識向上、主観的健康度向上をテーマに、「地域や実生活で活用できる研究」を目指しています。小学生、中学生、高校生、大学生等、様々なライフステージ・ライフスタイルの人たちに対して、望ましい食習慣確立のための食環境整備の検討や栄養教育介入等を実施し、その評価を行っています。
〔研究テーマ〕
  1. 小学生への効果的な食環境づくりに関する検討
  2. 中学生及びその保護者への効果的な食情報提供法の検討
  3. 高校生野球部員への効果的な栄養教育介入方法の検討
  4. 大学生水泳選手への効果的な栄養教育介入方法の検討
栄養教育論研究室
担当 前田 佳予子
内容 介護予防を目指した地域高齢者の健康づくりに咀嚼(そしゃく)力の維持および向上を組み込んだ総合的な支援事業は有用です。口腔機能の維持・向上を保つための健康栄養状態のアセスメントを通して食生活改善と食環境整備に関する研究を行います。
〔研究テーマ〕
  1. 介護予防事業における医療との連携を含めた包括的な栄養改善アプローチに関する研究
  2. 終末期における在宅訪問栄養食事指導の効果
  3. 口腔機能に着目した介護予防から要介護状態に至る口腔ケアの包括的対策の構築に関する研究
公衆栄養学研究室
担当 大滝 直人
内容 超高齢社会や2040年問題といわれるように、地域高齢者への健康・栄養支援は、我が国の大きな課題となっています。そこで、地域高齢者の健康状態と生活の質(QOL)に及ぼす影響について、栄養・食事、運動・体力、社会環境などの様々な側面から実態調査(栄養調査等)を行っています。
〔研究テーマ〕
  1. 高齢者のフレイルと栄養・食生活との関連
  2. 高齢者のフレイル予防と地域支援活動の展開方法の探索
  3. COVID-19による高齢者の日常生活への影響
公衆栄養学研究室
担当 林 宏一
内容 公衆衛生学、予防栄養学の考え方を重視し、疫学の手法を用い集団を対象とした健康・栄養課題の把握と解決のためのアプローチに取り組んでいます。地域における生活環境の変化と人々の健康・栄養課題を保健所等の関係組織とともに考えていきます。
〔研究テーマ〕
  1. 人口減少地域における社会環境の変化と健康・栄養問題
  2. 自然環境の変化(災害時含む)と住民の健康・栄養問題
  3. 地域における予防栄養学としての食育推進とネットワーク化の課題
  4. 予防栄養学分野における人材育成手法の開発
実践管理栄養コース
応用栄養学研究室
担当 岸本 三香子
内容 生体リズムの形成に最も強力なものは明暗サイクルですが、食事のリズムが体内時計に及ぼす影響は無視できません。唾液などの生体指標を用いて睡眠覚醒リズムや自律神経機能との関連を検討します。基本的生活習慣を確立する幼児期を対象としていますが、肥満や慢性疾患との関連についても検討します。
〔研究テーマ〕
  1. 幼児の睡眠覚醒リズムと食事との関連
  2. 幼児の自立起床の確立要因の検索と生活改善効果の評価
  3. 睡眠覚醒リズムと肥満や慢性疾患との関連
臨床医学研究室
担当 倭 英司
内容 糖尿病患者や人工透析患者を対象に、食事療法と臨床指標との関係を明らかにします。また、食行動と食行動に関わる心理学的因子の検討を行い、患者の食行動特性や心理学的特性に合致したオーダーメードな指導ストラテジーの構築を目指します。また、糖尿病の改善を目標に膵ベータ細胞の再生増殖因子の検討を行います。
〔研究テーマ〕
  1. 糖尿病患者、透析患者の食行動および行動経済学的指標を用いた心理学的因子の検討
  2. 糖尿病食、透析食の最適化に関する研究-総カロリー量の検討、低炭水化物食の適正化
  3. 膵ベータ細胞の再生増殖に関わる環境因子の研究
臨床栄養学研究室
担当 鞍田 三貴
内容 栄養療法は、栄養状態の評価や複雑な病態の把握に加え、社会的問題、精神・心理状態など、疾病以外の問題も考慮する必要があり、急性期、回復期、終末期、すべての臨床現場において管理栄養士が果たす役割は大きくなっています。臨床における管理栄養士の介入と筋力や日常生活動作(activities of daily living:ADL)、QOL、患者満足度、再入院、死亡をアウトカムにした研究を行います。
  1. 急性期の栄養管理が回復期のADLに与える影響
  2. 回復期リハビリテーション入院患者の栄養介入とADL
  3. 患者満足度を鑑みた栄養食事指導の標準化に関する研究

最近の学位論文題目より

-博士論文-

  • 初回治療肺結核患者の入院時栄養評価及び早期排菌陰性化を予測する入院時栄養因子の検討
  • 統合失調症患者における栄養介入による長期服用薬剤の副作用軽減効果に関する研究
  • 自治体における地域診断および効果的な食育推進方法に関する研究
  • 地域在住高齢者における栄養状態と環境要因との関係
  • 急性期及び予後不良脳卒中患者の有害事象の予測因子としての機能的自立度評価法(FIM)のカットオフポイントとエネルギー摂取量の関連性の検討
  • パーキンソン病患者における食事内容と病態との関連に関する研究
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)外来患者の栄養摂取とフレイルの関連性の検討ー横断研究ー
  • Association between nutrient intake and outcomes in serverely ill patients with stroke
  • アレルゲン添加食餌を用いた経口免疫療法による経口減感作と軽度減感作状態を反映するアウトカム指標の開発

-修士論文-

  • リハビリにおける機能回復と栄養状態について
  • 抗アレルギー物質の検索とその成分が免疫機能に及ぼす影響
  • IgE受容体発現細胞における若ごぼう含有オノポルドピクリンの抗アレルギー作用
  • 肥満症女性患者に対するストレスマネージメント併用による食事指導に関する研究
  • 2型糖尿病男性患者の内臓脂肪蓄積の臨床的意義に関する検討
  • 幼児園児を対象とした「双方向性食育プログラム」の検討と構築
  • 管理栄養士養成課程学生の進路選択と関係する因子の検討ーコンピテンシー到達度の縦断的観察研究を含んだ考察ー
  • C型慢性肝疾患患者の体格および栄養摂取量の把握における研究
  • 外来化学療法施行患者における栄養障害患者の存在と簡易栄養評価法の有用性の検討
  • 大学生における口腔保健行動の現状と効果的な歯科保健啓発の検討
  • 加速度と心拍情報を用いた身体活動量評価法の妥当性及び心拍変動に関連する生活因子の研究
  • 結核患者の栄養アセスメントに関する研究ー入院時栄養状態の把握及び排菌陰転化に及ぼす因子の検討ー
  • COPD患者の重症化と栄養の関係ー横断研究における検討ー
  • 兵庫県内の在宅高齢者における介護予防に関する介入効果
  • 児童館における食育推進のためのソーシャルサポートに関する研究
  • 2型糖尿病患者における血糖コントロールおよび睡眠障害と食行動の関連性
  • パーキンソン病患者における食事内容の特徴
  • 加熱調理操作における食用海藻類の抗酸化活性作用変化についてー特に真昆布の加熱処理による抗酸化活性増強効果についてー
  • 管理栄養士が入院患者の栄養管理を担った場合の効果
  • 地域における医療費適正化に向けた保健事業の進め方に関する研究~健康づくりグループの養成~
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患の栄養状態と食生活の特徴
  • 石川県能登地方の小中学生におけるアレルギーに関連する摂取栄養素の探索
  • 学校と地域が連携する健康づくり及び食育に関する現状と今後の進め方

授業科目(

履修方法

〈修士課程〉
  1. 修士課程は2年以上在学して、30単位以上を修得し、更に修士論文を提出して、その審査および最終試験を受ける。
  2. 修士課程で修得すべき30単位以上は、それぞれのコースにおいて次の組み合わせにより履修するものとする。
    健康栄養科学コースでは、必修科目15単位、選択必修科目6単位以上、および選択科目を併せ、合計30単位以上を修得する。
    実践管理栄養コースでは、必修科目21単位、選択必修科目4単位以上、および選択科目を併せ、合計30単位以上を修得する。
  3. 授業科目の選択、履修方法については、あらかじめ指導教員の指導を受けるものとする。
〈博士後期課程〉
3年以上在学し、必修科目「食物栄養学特殊演習」「論文指導Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ」を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、博士論文を提出して、その審査および最終試験を受ける。

学位授与

修士課程に在学して、所定の単位を修得し、さらに修士論文の審査および最終試験に合格した者には修士(食物栄養学)の学位を授与する。

博士後期課程に在学して、博士論文の審査および最終試験に合格した者には博士(食物栄養学)の学位を授与する。

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