修士課程 看護学研究保健師コース

保健師は、乳幼児や妊産婦、成人、高齢者といった全ての年齢層の方を対象とし、地域で暮らす人々が病気にならないように、健康でいられるように、病気と上手にお付き合いができるように、ご本人、ご家族、地域の人々、関係機関と共に考え、支援を行う看護職です。
近年、少子高齢社会の進展、人々の価値観の多様化、健康格差の広がり、家族や地域のつながりの希薄化などに伴い、健康問題が複雑困難化している中、それらに対応できる質の高い保健師が求められており、本学では大学院で養成しています。

看護学研究コースの目的に加えて、公衆衛生看護学の専門性を高め、住民の健康の保持増進を実現していく実践力および保健行政への参画力を兼ね備えた、質の高い保健師を育成しま す。(保健師国家試験の受験資格を得ることができます)

本大学院の看護学研究保健師コースの4つの特徴
~保健師として活躍したいあなたをアシスト~

保健師国家試験受験資格取得

修士の教育課程(看護学研究コース)に保健師の教育課程を加えた、充実したカリキュラムで保健師国家試験受験資格取得をサポートします。
保健師国家試験合格に向け、e-learningや模擬試験、教員による国家試験対策講座などを行い、1年生から知識の習得状況の確認とそれに応じた個別の支援を定期的、継続的に行い、学びをサポートします。

少人数制、実践力を養う教育

1学年6名程度に対し、教員は4名の体制で講義、演習、実習、研究を連動させサポートします。学校・産業保健や保健福祉医療などの実践を有する講師による授業も行い、看護職として培った能力を礎にした実践力を養う教育を展開します。

充実した臨地実習

1年生では1年間を通して、1学生につき母子8回と高齢者8回の継続家庭訪問を行い、自ら対象者と関係を構築できる対人関係能力を養うとともに、自立心と判断力の獲得を目指します。
2年生では都市部、山間部でのW実習地で、地域の特性に応じた保健活動の実際を学びます。
7週間のすべての実習を教員が丁寧にサポートします。保健事業への参加および個別への支援を積み重ねることにより、公衆衛生看護活動の基盤となる知識や態度を身につけるとともに、支援を求めない人々、制度の網目から抜け落ちる人々、複雑困難な健康問題を有する人々への支援を探求します。

「充実した臨地実習の実際」はこちら

修士(看護学)の学位

保健師国家試験受験資格と修士(看護学)学位のW取得で、キャリアプランをサポートします。
演習と実習、修士論文を連動させ、実践に即した研究に取り組みます。研究では、研究疑問に基づき、研究課題の明確化、研究目的の設定、研究計画立案、研究倫理審査、データ収集、分析/ 解釈、考察、論文作成、発表が行えるように指導し、看護研究を行う基礎的な能力を育成します。

「演習・実習・修士論文の連動」はこちら

修了要件および履修方法

標準修業年限2年以上在学し、特別研究6単位、共通教育科目において専門基礎科目の必修科目4単位と「保健看護行政論」2単位の計6単位、関連科目の中から「福祉行政論特論」1単位と「栄養疫学特論」2単位の計3単位、専門教育科目において広域実践看護学領域の総論2単位と特論2単位および演習4単位の計8単位、公衆衛生看護学科目の必修科目25単位を含め、合計60単位以上を修得するとともに、かつ必要な研究指導を受けた上、修士論文の審査および最終試験に合格しなければなりません。なお保健師国家試験受験資格を得るために、看護師免許証の交付を受けた上で、保健師助産師看護師学校養成所指定規則に定める所定の28単位を含む30単位を修得しなければなりません。

ディプロマ・ポリシー

本専攻修士課程看護学研究保健師コースでは、本学の定める修業年限以上在学し、次のような能力・資質を備えた上で、60単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、修士論文の審査および最終試験に合格した者に対し、研究科委員会の意見を聴いて、学長が課程修了を認定します。課程修了が認定された者には、修士(看護学)の学位を授与します。
  1. 知識・理解
    専門領域における幅広い専門知識と理解力を身につけている。
  2. 技能・表現
    看護の臨床現場で生じている課題の解決・改善に向けての研究を実施し、公表できる。
    保健師として、複雑困難化している健康問題へ対応できる。
  3. 思考・判断
    臨床現場で生じている課題を科学的・論理的思考に基づいて解決する方法を見出すことができる。
  4. 態度・志向性
    看護実践、看護教育、看護研究の発展に寄与するように、自らの実践を向上していくことができる能力を身につけている。
  5. 多職種間連携能力・保健行政参画力
    人々の健康を支える専門職や地域住民のチームにおいて、メンバーシップを発揮するとともに、リーダーとして、メンバーの役割を尊重し、メンバー間の協働や連携を促進することができる。
    地域の健康課題を解決する方策を探究し、施策の企画、立案、実施および評価を行うことができる。

カリキュラム・ポリシー

本専攻修士課程看護学研究保健師コースではディプロマ・ポリシーを達成するために、次のような経験知を理論知に進化させる学年積み上げ方式の教育の方針に基づき、①論理的思考力、②研究能力、③問題・課題の発見・言語化能力、④広い視野での考えに基づく発想力を育成するカリキュラムを編成します。
  1. 「共通教育科目」は、学生自身の問題意識や課題に関して、より広い視点から看護の課題を検討することができる「専門基礎科目」と、看護学と近接し関連する科目を開講する他の研究科・専攻(臨床心理学専攻、臨床教育学専攻、健康・スポーツ科学専攻、食物栄養学専攻、薬科学専攻)での開講科目を履修可能な「関連科目」として編成します。関連科目では、豊富な科目の中から疑問を追求するのに関連する幅広い知識を身につけることができます。また、指定規則に定める「公衆衛生看護学」「疫学」「保健医療福祉行政論」に関する科目も含まれます。
  2. 「専門教育科目」は、主に制度・施策と看護との関係について理解し様々な健康状態にある対象への看護上の課題に取り組む「広域実践看護学領域」に特論、演習科目を配置し、「看護学総論」では、幅広く対象や看護をとらえる上での基盤となる考え方や、人々の健康を支える専門職や地域住民のチームにおけるメンバーシップやリーダーシップについて学び、「看護学特論」では自身の専門と関連の深い分野の理論と実践に関する知識や理解を深めます。共通教育科目での学びや看護実践での経験知も踏まえ、個人の体験と疑問に関連した幅広い知識を修得しつつ、「看護学演習」においてそれらの知識を統合し、研究疑問へと洗練していけるような教育内容となります。
  3. 「特別研究」は、研究の中核となる科目であり、専門教育科目や「公衆衛生看護学科目」を通して明らかとなった研究疑問に基づき、指導教員の研究指導を受けて、研究計画の立案からデータの収集・解析等を経て、学位論文としてまとめる内容となります。その能力は、地域の健康課題を科学的・論理的思考に基づいて解決する能力となり、施策の企画、立案、実施および評価等の自らの実践能力の向上につながります。
  4. 「公衆衛生看護学科目」は指定規則に定める「公衆衛生看護学」「保健統計学」および「公衆衛生看護学実習」の教育内容に関する科目を配置します。保健師の国家試験受験資格を得るための総単位数は28単位ですが、本研究科では実践力を高めるため実習単位を2単位増強した30単位とします。
  5. 教育評価
    各科目の学修成果の評価は、あらかじめ評価指標を明示し、適切・公正な評価を実施します。また、教育課程の評価については修了年次に提出する修士論文をもって教育課程を通じた学修成果の総括的評価を行います。

アドミッション・ポリシー

本専攻修士課程は「立学の精神」とそれに基づく「教育目標」に賛同し、かつ修了認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)および教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)に定める教育を受けるために必要な、次に掲げる知識や技能、意欲を備えた人を求めます。
  1. 本学の理念、本研究科の教育目的・目標を理解し、社会的・国際的な視野にたって人々の健康と福祉の向上ならびに看護学の進展に寄与したいという意思をもつ人
  2. 自身の経験知をもとに、自身の問題意識や課題を表現できる人
  3. 実践を通して課題を見いだし、改善や発展に向けて、研究的視点を持って課題を追究していくことのできる人
  4. 自身の考えを明確にしつつも、他者の意見を聞くことができ、柔軟な思考で考えを発展させていくことのできる人
  5. 地域住民の健康に関心を持ち、健康課題の明確化とその解決に向けた 実践を通して、将来保健師として社会貢献する意欲のある人

本研究科・専攻の専門性やディプロマ・ポリシーに掲げる資質・能力を持つ人材像に対応する、透明性の高い公正な入学者の選抜試験を行います。

<一般選抜>
本学大学院への出願資格を満たす看護職者を対象とするもので、筆記試験・面接によって能力を判定します。

在学生・修了生の声

〈進学への思い〉Aさん

私は、看護師養成課程の実習の時、糖尿病の患者さんを担当させていただきました。その時、患者さんが「もう、好きな物も食べられない、どうして糖尿病になったんだろう」と話されていたことがとても印象的でした。私は、病気になる前に何とかできなかったのだろうかと考えました。そこで患者さんにお話を伺うと「健診は何年も前に受けたが、最近は全く受けていない」とのことでした。患者さんとの関わりを通して、日頃の生活を健康的なものにし、病気になる前から病気を予防することがとても大切であることを強く感じました。糖尿病をはじめ生活習慣病になる人を一人でも減らしたいという思いから、保健師を志し、大学院で勉強することに決めました。

〈母子への継続家庭訪問での学び〉Bさん

最初は、家庭訪問で何をしたらよいのか、お母さんとどう接したらよいのか分からず、とても不安でした。訪問では、赤ちゃんの計測を行い、お母さんのお話を伺うことで精一杯でした。しかし、訪問を重ねることで、少しずつお母さんとも話ができるようになり、お母さんがどんなことに困っているのか、何を大切に子育てされているのか、家族の関係性や周りのサポートの状況も分かるようになってきました。家庭訪問をするということは、対象者の生活の場に出向いていくということであり、出向くことでしか見えない、分からないことがあるのだということを知り、訪問することの必要性を理解することができました。8回の訪問を終えて、家庭訪問を行うことに自信が持てるようになりました。保健師になっても、積極的に家庭訪問を行い地域の方々と共に考えていきたいと思っています。

〈2年間を振り返って〉Cさん

大学院では、ディスカッションを通して学びを深める機会が多くあり、相手の意見を尊重し自発的に自分の意見を述べる姿勢が身につきました。保健師コースでは、講義・演習・実習が連動して展開されており、机上での学びから実践への学びへとプロセスを踏みながら着実に力をつけることができました。実習は、1年を通じた継続家庭訪問や乳幼児健康診査、高齢者の憩いの場への参加など、とても充実していました。それらの経験をもとに、修士論文では、生活習慣病に着目し、若年期からの生活習慣病予防のアプローチを検討し、その結果を保健所や住民の方々に還元させていただきました。現在は、大学院での学びを基盤として、産業保健の分野で保健師として活動しています。

実習施設

(2021年4月現在)

保健所・保健センター
地域包括支援センター

 西宮市高齢者あんしん窓口・高須

 西宮市高齢者あんしん窓口・小松

 西宮市高齢者あんしん窓口・上甲子園