発色剤

DAILC001

亜硝酸ナトリウム


「食品添加物は毒」派の意見

胃の中で魚肉や食肉に含まれるアミンという物質と結びついて,ニトロソアミンという強い発がん性物質に変化する。


「MOTTO!食品衛生」からのコメント

 確かに,試験管内の実験では亜硝酸と二級アミンが酸性下で反応するとN-ニトロソアミンという発ガン性物質が生成してきます。というと「やっぱり食品添加物は体に悪い!」と決めつけられてしまうのですが,ちょっと待って下さい。実は,皆さんが健康によいといって一生懸命食べている緑黄色野菜には硝酸塩がかなりたくさん入っていて,これが口の中で亜硝酸に変化しているのです。また,野菜の漬物の中にも野菜の硝酸塩から生成された亜硝酸がたくさん含まれています。厚生省の調査では,こうした生鮮食品からの硝酸(イオン)の摂取量は一日171mgであると報告されています。一方,加工食品からの摂取量は亜硝酸(イオン)が1mg,硝酸(イオン)が44mgですから,(分子量を無視して)単純に計算しても加工食品の4倍の亜硝酸や硝酸を生鮮食品から食べていることになります。加工食品に含まれる亜硝酸や硝酸がすべて食品添加物由来とは限りませんので,食品添加物として摂取しているのはごくわずかなのです。明日から野菜を食べるのをやめますか?

 私たちは,ずっと野菜を食べてきましたが,そんなにガンが多発しているわけではありません。それはなぜかといいますとビタミンCや一部のアミノ酸がN-ニトロソアミンの生成を抑制しているからだといわれています。また,緑黄色野菜にはβ-カロテンや抗変異原物質が含まれていることも関連しているかも知れません。こうして考えると発色剤として使用されている亜硝酸ナトリウムが安全かどうかはだれでもわかることです。

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