保存料

DAILC001

ソルビン酸,ソルビン酸カリウム


「食品添加物は毒」派の意見

 ソルビン酸カリウムと性質や毒性がほぼ同じ保存料のソルビン酸を,落花生油あるいは水に溶かして,ラットに皮下投与したところ,がんが発生したとの報告がある。


「MOTTO!食品衛生」からのコメント

 ソルビン酸カリウムとソルビン酸は,構造はよく似ていますが,性質や毒性は全く違います。ソルビン酸カリウムは水に極めてよく溶けますが,ソルビン酸は水に溶けにくい性質をもっています。また,ソルビン酸は「酸」ですが,ソルビン酸カリウムはソルビン酸を炭酸カリウムや水酸化カリウムで中和した「カリウム塩」です。

 毒性については,ソルビン酸を落花生油もしくは水溶液でラットの同じ部位に繰り返し皮下投与すると局部的な肉腫を生じたが,同じ方法でソルビン酸カリウムを投与しても腫瘍は生じなかったと記述されています。また,ソルビン酸,ソルビン酸カリウムいずれにおいても経口摂取では腫瘍の発生は認められていません。食品添加物は口から摂取するものですから,当然ながら経口摂取の結果を重視すべきでしょう。

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